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Odyssey7Q長期試用 _まとめ〜S-Log3への期待_
 どもです、イチカワです。

所用&お正月のご挨拶を兼ねて品川のSonyさんにお邪魔して来ました。今後のあれやこれやのお話もさせていただきつつ、長期試用しておりましたConvergent Design社のモニターレコーダー、Odyssey7Qに関するお話や昨日発表のAX100(1インチセンサーの4Kハンディカム)など、相変わらずの機材話に盛り上がってまいりましたよ。

というわけで今回は昨年終わりからしばらく試用をさせていただいたOD7Q、イチカワの個人的な見解をたっぷりと含んだ使用感まとめでブログスタートです。

モニター部分
OD7Qは7インチ12780x720有機ELモニターという、現状ですとかなりハイスペックなモニターを搭載しています。今年は1080P小型モニタも出回り始めるとは思いますが、小型有機ELで1080Pとなるとまだまだ高価になるであろう事を考えるとOD7Qの価格設定は後述するレコーダー部まで考えるにかなり挑戦的かと思われます。

モニター機能としてはピーキングにヒスト、ゼブラにRGBパレード、その他現場で必要であろう主な機能はほぼ全部盛り状態、もちろん各機能の細かい設定も直感的に操作変更が可能となっています。ほとんどの方がマニュアルを見ぬまま使い始められると思います。


静電式タッチパネルは極小ボタンにも確実に反応してくれるのでAtomosモニタの感圧式で鍛えられた(苦笑)自分にはありがたい仕様でした。OD7QはiPad触ってる感じね。

ただ、モニター部で一点だけ気になったのは現状ファームでは拡大表示がセンターのみ等倍&2倍のみ(x1、x2)だった事。DSLRやウチのFS700のようなx5、x10の拡大表示はシビアなフォーカシングで重宝する機能だったので、OD7Qでも是非搭載していただきたいと個人的に考えております。

逆に言うとそれ以外は問題ないどころか、まさに至れり尽くせりなモニター部です。ここはお使いになる方ほとんどが実感されると思います。


レコーダー部分
OD7Qは純正SSDのみに対応する2スロット式のレコーダ機能を搭載しています。イチカワはFS700に特化された収録オプションでの試用に留まりましたが、元々ARRI、RED、Canon(CinemaEOS)のrawファイル等をそのまま記録出来るというかなりハイエンドなスペックを実現しており、海外ではC500での4K記録などを検証されているDPさんもすでにいらっしゃいます。

各社rawレコーディングは「日(24時間)単位での収録機能レンタル」もしくは「期限なしの機能購入」をオプションで追加導入するというこれまたイマドキな仕組みを搭載、現場で使用するカメラのraw収録コーデックをその日稼働分だけレンタル、なんて選択も出来ます(Convergent Design社ウェブサイトでアクティベーションキーを購入)。未来〜ですね。

ちなみにFS700のraw記録オプションは当初の「レンタルもしくは購入」から「購入のみ」となりました。$795で期限なしの仕様となります。ま、FS700はレンタルハウスで借りるカメラというより...ですので当然の仕様変更でしょうか。

イチカワがお借りしたOD7QはすでFS700rawオプション入りでしたので、よっしゃこれでFS700大変身劇場だ〜!と大興奮でスタートした検証でしたが、結果から申しますとそこに至るにはまだまだな現状ファームウェア...かなり限られた収録機能、という印象です。

現状ファームでは非圧縮DPXか2Kraw CinemaDNG収録、この選択肢しかありません。他社のレコーダで当たり前となっているProRes422HQ記録などが一切ない現状ファーム。ただし、後述しますファームアップデートでもろもろ解決されるでしょう。

OD7Qでの1080Pおよび2Kサイズ収録。今回はOD7Q使用感をまとめたいのでFS700の絵があーだこーだと詳細を書く必要はないかと思っていますが、ご興味おありの方は以下のリンク(以前のイチカワブログ記事です)から素材ファイルのダウンロードなどをお試しくださいませ:

Odyssey7Q長期試用 _羽田トワイライト_
http://blog.notroboboy.net/?eid=1075442

Odyssey7Q長期試用 _不忍池_
http://blog.notroboboy.net/?eid=1075443

で、特に上野不忍池での検証で顕著にあらわれているraw素材の暗部ノイズはFS700の性能うんぬんの前にイチカワのミスです、はい。基本Log収録しか頭にないイチカワの凡ミス...raw収録はETTR撮り、多少の白飛びもポストで戻るっしょ!てなくらい突っ込まなアカンのよね〜。

こういうミスも再確認させていただける今回の検証でした(そういうレベルの人間が検証やっちゃいけませんね 反省)


さて、話をOD7Qに戻しますが、本来持つべき10bit422などの圧縮コーデック収録機能。これらは今月末〜来月中旬にファームのアップデートが予定されているとの事です。

Convergent Design社の方から2月15日という日にちもいただたいのですが、このOD7Q、レコーダ部に関してだけでも機能が多過ぎるので何のカメラのどの収録フォーマットがアップデートされるのかアナウンスがイマイチごっちゃになっています。加えて言わせていただくと公式ウェブサイトもダサくて見づらいよ。

ただ、現在多くの皆さんがお使いの10bit圧縮コーデックは早く搭載して欲しいものです。これないとSamurai、Ninjaでいいじゃないって感じよね、ホント。

ちなみにAtomosレコーダくん達のような5インチサイズのモニターレコーダに慣れていらっしゃる皆様、OD7Qの7インチは想像以上に大きい(重くはないケド大きい)です。

イチカワはマジックアームなどでカメラ横に並ぶようセットして屋外でウロウロしましたが、常に不安でした。落っこちないかなぁ、みたいな。ま、これはお借りした機材&サイズへの不慣れ、という事だけかと思いますが、やはり7インチモニターを上だ横にくっつけての屋外ウロウロはちょっと...カッコ悪いものですねぇ(苦笑)。


電源、駆動関係
お借りしたOD7Qはちょっと笑っちゃうような(失礼!)バッテリーが一緒に来たのですが、電源供給は現在すでにVマウントや各社の小型バッテリマウントのオプションがあるとの事、ここら辺は一安心。

個人的にこのバッテリは使わない、かなぁ(苦笑)


ま、FS700ユーザはこれでよかばいですね。


で、この電源コネクタの形状がこれまたユニーク。最初は「壊れたら大変や!」思いましたが、実際使い始めるととても良かったです。この小さいケドしっかりカチっとひっかかる構造、ナイスちゃん。


運用時はモニターにバッテリや本体の温度などが常時表示されます。小型カメラなどの「現在何パーセント」表示ではなくREDなどの「電圧まだここまであるよ」表示と一緒、これも慣れるとエエ感じですね。


というわけでびっくり多機能モニターレコーダ、Odyssey7Q試用に関し書かせていただきました。

モニター部分は文句なし、現状のファームによるレコーダ機能の脆弱性はかなりよろしくない、簡単にまとめるとこんな印象でした。

ただ、今月末から国内市場に出回る際に現状のファームのままという事はまずないと思います、まだまだ本領発揮と呼ぶにはほど遠い状態での今回の検証、これを持ってこのワンダフルな機材を斬ってしまうのは些か危険でしょうか。

逆に言うとProRes422HQでの1080P60fps(30でなく60ね)記録などさえ備われば、rawだなんだを差し引いても現在市場で最強のモニターレコーダになる事は間違いないと思います。すでに何かしらのハイエンド収録機器をお持ちの方はさておき、何か買おうを思っていらっしゃる皆様には良い機会ではないでしょうか。

昨年末からの試用記事アップに合わせ、多くの方から色々質問も受けました。やはりFS700の4K記録に関する部分や720P解像度への不安などが多かったです。

まず720Pモニター解像度、これは今後の4Kサイズを考えた時に果たして720P解像度モニタリングで十分なのか、という事かと思います。イチカワもこれは後述する4K収録をやってみないとわからない部分ですが、拡大表示の活用でなんとか乗り切れるかな、と楽感的に考えています。5〜7インチサイズの世界で720Pと1080Pがどこまで違うのかイチカワは未経験ですし。

そしてイチカワ含めユーザーが期待するFS700の4K収録。果たしてOD7Qで可能となるのでしょうか?

今年はまさに4Kカメラ躍進の年、すでに各社からアナウンスが相次いだり、兄貴分のF5/F55もドンドン機能がアップデートされています。FS700ユーザの皆さんが「このカメラで何をどこまで撮れるのかな」にとても興味(つーか不安?)があるんだなぁとイチカワ感じました。

今回の検証でイチカワが感じたのはLog収録とraw収録の使い分け、どんな現場でどんな収録がスムーズなのか。ここに尽きます。

先にも書きましたがイチカワは基本Log収録です。スチールでのrawはさておき、まだ自分のお仕事なりなんなりでraw動画記録というのはそこまで経験がありません。

Logではなくrawで撮る必要性。特に4Kサイズとなる場合データサイズを想像するに中々シビアなポイントかと思います。「OD7Qで何がどこまで撮れるのか」も気になるところですが、その前に「自分がどこまで撮る気なのか」こっちの判断ですね、結局。

OD7Qでの2Kraw CinemaDNG収録は良くも悪くも自分の違うスキルを要求される良い機会となりましたが、例えばSonyさんの次なるLogカーヴ、S-Log3の方がよっぽど気になりましたよ、イチカワは。

ダイナミックレンジにこだわったS-Log2に対し、Cineonカーヴに近いというS-Log3。中間〜明部を広く取るこの新しいカーヴがFS700で使えればなぁ、と夢見てしまいます。

話がそれてしまいまいましたが、結局こういう事なんよねー。どんなサイズ/フォーマットで何が撮れる撮れないより、自分のスキルや手法に直接繋がる性能の方がよっぽど重要です。

OD7Qのようにファームアップで機能が追加されていく事は嬉しいものの、元々必要としないスペックに振り回されるのはカッコ悪いので、色々な意味も含めもうしばらく注視して行きたいですね。


今回Odyssey7Qの長期試用が出来た事、とても嬉しく思っております。関係者の皆様には感謝感謝でございますが、あらためて自分のスキル不足も再確認出来る良い機会となりました、本当にありがとうございました!






 
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